好評連載 店舗デザイン・見積り提案.com×デザイナー

店舗デザイン・見積り提案.comとデザイン・施工会社代表の対談レポート

第2回

monom 川松 辰郎 氏

夢をたくさん持ったお客様と仕事がしたい。

会社所在地:東京都江東区

飲食店をメインに、物販店やサロンなど、多種多様な商業施設デザインの実績を持つ、monomの川松氏。設備チェックやレイアウトの提案、現場管理など一つひとつのプロセスにおいて、実績に裏付けされた的確さと、誠実な姿勢がうかがえる。「アグレッシブで信念のあるお客様と仕事がしたい」という川松氏の思いや取り組みについて、お話をうかがった。

- これまでの実績、よく手がけている業態や得意分野について教えてください。

川松:業種や業態、規模の大小を問わず商業施設全般に渡って取り組んで来ました。特に飲食店が得意で、焼肉店からケータリングのお店など、小さいものから大きなものまで、あらゆるジャンルを経験しています。その他ヘアサロン、ネイルサロン、歯科医院のご依頼もいただいています。

- 独立前も店舗のお仕事が多かったのですか。

川松:はい。独立前は、案件の9割が飲食店という、設計施工の会社にいました。その前はデザイン事務所に3年間在籍し、物販店舗のみを手がけていました。さまざまな百貨店をまわり、全部で7,8のブランドに携わったと思います。

- デザインするときに特に大切にしていること、意識していることはありますか。

川松:私たちのデザインを押し付けるのではなく、お客様に合ったものに今のニーズをプラスしていくことを考えます。お客様の中の引き出しを開けて、その一つひとつをトータル的に考えたデザインを提案することを大切にしています。

- 空間構成や動線といった点ではどうでしょうか。

川松:動線には重点をおいています。厨房からの動線、店員とお客様がすれ違うときの動線には特に気を使っています。

- 仕事はどのように進めていますか。ヒアリングから始まり、デザインの確定、工事から引渡しのフローの中で、注意していることを教えてください。

川松:お客様にお会いして、まず現場で設備のチェックをします。同じ飲食店でも設備はそれぞれ違うので、お店にふさわしいものかどうか、その場で判断するんです。設備が見合ってない場合は、どのようなものが必要になるか説明をします。

- 飲食店においては、設備が重要なんですね。

川松:はい。設備面が解決した上で採寸して、お客様からのヒアリングをもとにレイアウトを作成します。そして、CGパースでイメージを具体的にしながらサンプルや素材を提出し、OKが出たら設計図を作って工事に移ります。

- 設備チェックが終わった次の打ち合わせで、レイアウトとCGパースを提出されるんですか。

川松:先にレイアウトを見ていただきます。動線や客席の数、厨房の配置などまで網羅して、お客様に納得していただいてから先に進めていくんです。なかなか平面図だとイメージがつかみにくいと思いますので、CGパースを準備して確認いただきます。

- コストコントロールの点で工夫していることはありますか。

川松:飲食店のデザインで最もコストがかかるのは、内装より設備面です。でも、設備工事を妥協することはできません。オープンした後に、「暑い、寒い」「ダクトが吸わない」といった不備が生じては、問題ですから。基本的には予算オーバーすることのないよう、お客様の予算を踏まえた内装デザインを考えていきます。

- 現場で指示をするときに、心がけていることはありますか。

川松:図面を書いて、事前に細部にわたって打合せをします。大まかな部分は当然ですが、手間のかかる細かい部分を、どれだけやってもらうかが大切です。

- デザインのみで依頼する場合、金額はどのくらいになりますか。

川松:週に1~3回の設計監理も行うということで、総工事費の7~8%と考えています。でも一概にパーセンテージで言えないことも多いので、お客様との相談になります。

- 今までの仕事で、印象に残っているものはなんですか。

川松:新宿のバーです。地下にあるお店だったのですが、片側の壁がなくなっているという、建物として問題のある現場で(笑)、まずその解決が大変でした。その上、オーナー様が現場に来られて、毎日のように変更の指示があったので、昼も夜も工事が続きました。

- それだと、予想外のコストが発生しますよね。追加料金はどうされたんですか

川松:いただきませんでした。設備上で大きな変更がなければ、なるべくいただかないで収めるように努力しています。

- 川松さんご自身が飲食店を経営するとしたら、どのようなお店にしたいですか。

川松:バーでしょうか。一番やりたいのは、全体が一つのチームになれる場です。デザイナーの自分がバーテンをしていて、お客さんとして大工さんが来たとき、「ここは自分がつくったんだよ」という話をしながら、「それなら自分もやろうかな」みたいな、広がりがあるお店がいいですね。デザイン的には、男性でも女性でも、一人で来店できるお店にしたい。特に飲食店は女性に支持してもらえることが重要ですから、スタイリッシュで清潔感のある空間がいいです。

- 尊敬するデザイナーはいますか。

川松:僕の恩師、榎本文夫氏です。倉俣史朗氏の弟子で、僕の通っていた学校の講師だったのです。彼のデザインが好き、というよりも人間性が好きだったんですが(笑)、いろいろと教えていただきました。この世界でがんばっていこうと思った、きっかけの方で、僕は師匠だと思っています。

- 最後に、「こんなお客様と仕事がしたい」という理想像はありますか。

川松:「あれもしたい、これもしたい」と夢をたくさん持った、アグレッシブな方が一番好きです。その思いを集約して形にすることが、仕事冥利に尽きますね。アクティブで、信念のあるお客様とお仕事がしたいです。

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